2008年08月11日

21_21 DESIGN SIGHT「祈りの痕跡。」展

江戸東京博物館で開催中の「書の名宝展」を
見てから・・・と思ったのだけれど、思わずこちらを先に見てしまった。

アートディテクターとして活躍する浅葉克己さんが
「地球文字探検家 浅葉克己ディレクション」として、
古今東西、さまざまな文字を集めた展覧会。

「文字」といってしまうと、とても狭い意味になってしまうけれど
要は、“思いを記した”「痕跡」を集めた展覧会。

学生のような気分で
「アート、ってカッコいいなぁ」なんて思ったり、
他人のことを思い出すように
「そういえば、私は文字が好きだったなぁ」なんて思ったり・・・。

会場には、ひとことでは言い表わせないような、
“不思議なおもしろさ”が充満していた。

万里の長城の途中で旅の無事を祈った書があり、
西夏文字のポスターがあり、李禹煥の絵画「線より」があり、
先史時代の洞窟を写した石川直樹の写真「NEW DIMENSION」があり、
浅葉克己さん自身の日記があり、
ナスカ・パルパの地上絵の模型がある。

立花文穂さんなどの若手アーティストの作品があるかと思うと、
円空の彫刻があったりする。

書家の土橋靖子さんが、平仮名で
“いろはにほへと・・・ん”と書いた「いろは歌」、
考古学者、吉村作治さん協力によって完成した、
古代エジプトの王の名前や冥界の神の名前を
御影石に刻んだ「ヒエログリフ」。

長さ13メートルの紙に
日本中の仏や十二支、星宿に至る諸尊が刷られた「九重守」は
壁沿いにぐるっと展示されていて、これもおもしろかった。

650枚にも及ぶ木田安彦さんの絵画「不動曼荼羅」は
家のインテリアに1枚ほしいなぁ、なんて思ったりした。

内田繁さんのインスタレーション「DANCING WATER」は
水と光があやしくうごめいている、

浅葉氏所蔵のマルセル・デュシャンの個展カタログや
ジョン・ケージの資料などにもドキドキした。

本にもなった神前 弘さんの「おじいちゃんの封筒」、
ここではその封筒が、約700点、展示されている。
浅葉氏は、
おじいちゃんがつくった文字の書かれていない封筒に
“あえて意図しないものにのみ宿る、不思議な魅力”を感じ、
李禹煥の作品「線より」には
ゆっくりと筆を動かして描かれている様子に
「書の起源に通じる」と感じている。
祈りの痕跡.jpg
李禹煥「線より」

浅葉氏の感性の豊かさなしには成立しえなかった展覧会だろう。

浅葉氏自身の文字と写真で構成された日記も、
ジーッと見てしまった。
できっこないのに、私も手書きの日記を書いてみようかな、
と思わせるに十分な魅力があった。

「文字」とは、“思いを記した”「痕跡」で、
それは「祈り」につながるものだったのだなぁ、と思いつつ
「ありがとう」とか「がんばれ」とか「大好き」なんていう言葉を
反芻しながら、会場を後にした。

●21_21 DESIGN SIGHT 地球文字探検家 浅葉克己ディレクション
 「祈りの痕跡。」展
  9月23日まで
posted by tea at 22:43| その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする